Story | 11/06/2020 07:13:45 | 2 min 読み取り時間

持続可能な林業が地球にもたらすメリット

UPMは、世界の気温上昇を1.5 ℃に抑える努力をすることを誓っています。そのためには、持続可能な森林管理を実践することが重要なカギとなります。

UPMは2020年初頭に、国連グローバル・コンパクトの「Business Ambition for 1.5 ℃」に参加表明し、地球の気温上昇を1.5 ℃に抑えるため科学的根拠に基づいた取り組みを行うことを約束しました。

UPMのバイスプレジデント、Sami Lundgrenは次のように述べています。「投資家、顧客、社会全体、さらには学校の子供たちまでもが、企業のサステナビリティへの取り組みについて質問してきます。UPMが自分たちの役割を果たすことは重要です。当社がこのコミットメントに署名したことを、従業員はとても誇りに思っています」

UPMは、このコミットメントを次の方法で達成します。自社製品の新たな活用、CO2排出量の削減、そしてクライメットポジティブな林業です。詳細は当社のウェブサイト内、「Forests」のページでご覧いただけます。

木材は再生可能でリサイクル可能であり、さらに生産工程において大事な副産物を生み出すこともできます。バイオ燃料は化石燃料の代わりになりますし、紙の包装材はプラスチックの代わりになります。またバイオケミカルは産業界で化石由来の化学物質の代わりになりますし、建築物でより多くの木材を使用すれば、コンクリートを使用するよりも環境に優しくなります。

UPMは事業活動の中で多くのエネルギーを使用していますが、幸いにも、素晴らしい再生可能燃料を手にしています。UPMは2020年初頭にドイツの風力発電会社wpdと大規模な契約を結んでおり、製紙工場に対してクリーンな風力エネルギーを提供しています。UPMの工場では、伐採時に生じる残材や木材の副産物を燃料として利用でき、現在、同社の燃料の約7割はバイオマス由来のものです。またUPMは、エネルギー効率を毎年1 %改善することも目標としています。

1.5 ℃のコミットメントを達成するための第3の柱は、クライメットポジティブな林業です。いろいろな意味でクライメットポジティブな林業は、UPMの事業の中で最も知られていない側面ですが、同時に非常に重要なものです。

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木が増えれば、二酸化炭素の吸収量も増える

UPMは、フィンランドとウルグアイを中心に約85万ヘクタールの自社林を保有し、加えてフィンランドでは110万ヘクタールの私有林の管理を行っています。これはスロベニアの面積にほぼ匹敵します。

UPM Forestの上級副社長であるSauli Branderは次のように語ります。「私たちは過去50年かけて、フィンランドでの保有林を2倍に拡大してきました。これは大きな炭素吸収源です。適切に管理する必要があります」

UPMのフィンランドの森林は半自然林で、ほとんどがトウヒ、松、樺の木で構成されています。過去5年間で、二酸化炭素換算で年間130万トンの炭素吸収量があります。一方ウルグアイでは、ユーカリの植林が行われています。これらは非常に異なる種類の森林ですが、どちらも将来のことを考えて管理されています。重要な原則は、育った分を上回る伐採をしないこと。

UPM Forestのステークホルダーリレーション担当ディレクターのSami Oksaは、次のように述べます。「私たちは1990年、ウルグアイで植林事業を始めました。そこは1500年代以降、森林が育っていない土地でした。しかし今では、ウルグアイの森では4000万トンの炭素隔離がなされ、その炭素貯留量は増え続けています」

適切な森林管理

UPMは森林破壊を行いません。森林は、伐採後に常に再生されています。私たちは、新しい木の自然再生を促したり、あるいは種を蒔いたり苗を植えたりしながら、自然の手助けをしています。UPMは3つの苗木畑を保有しており、年間約5,000万本の苗木を育てています。これらの苗木は丈夫かつ健康で、通常の種子の2倍の速さで成長を遂げます。成長が早ければ早いほど、苗木は大気中の二酸化炭素を吸収します。

しかし、森林はただ植林だけされて放っておかれるわけではありません。フィンランドの森は、ローテーションで順々に間伐され、それが森の手入れにつながっています。あるエリアから選択的に木を伐採することで、残った木に多くの光が当たるようにすることもあります。すると、残った木はより健康になり、成長が早まります。

積極的に間伐がなされている森は、管理されていない森に比べて多くの炭素を吸収できます。管理の行き届いていない森の場合、弱体化し不健康な状態になっていることがあります。これはカナダにおける国の調査でも指摘されています。木材目的で管理されている林地は炭素吸収源となりますが、火災や昆虫により荒れた林地は、最終的にCO2の排出量の方が多いことが分かっています。

新しいバイオエコノミーにおける持続可能な林業

「私たちが保有する森はすべてPEFC™またはFSC®(FSC®-C109750)の認証を受けており、ほとんどは両方の認証を受けています」とBranderは語ります。「認証は、法律で義務付けられているもの以上の自主的な取り組みです。私たちが持続可能な林業を実践していることをエンドユーザーに知ってもらう狙いがあります」

森林は、海に次いで2番目に大きなCO2吸収源です。森林は、適切に管理されている限り、人間が引き起こした気候変動との戦いにおいて大きな役割を果たすことでしょう。

「持続可能な林業は、クライメットポジティブな取り組みです」とBrander。「UPMは新しい林業、新しいバイオエコノミーの一端を担っています。化石由来の製品に代わるものとして、木から作られる再生可能でリサイクル可能な製品を提供しています。私たちが成し遂げていることは素晴らしいストーリーであり、UPMの全員がこのクライメットポジティブな林業を誇りに思うべきだと思います」

文:David J. Cord

 
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