Story | 11/17/2022 06:15:00 | 2 min 読み取り時間

冬に立ち向かう – 北欧スタイル

冬に関して言えば、北欧の人々は何をすべきか分かっており、私たちには学ぶものがあります。

北欧の国々は、気候パターンが極端であることがよく知られています。世界最北のこの地域では、冬の-30 °Cから夏のさわやかな30 °Cまで、気温が変化します。クリスマスの時期には、1日の日照時間はわずか数時間しかありませんが、夏のピークとなる6月には、太陽が常に出て完全に沈むことがありません。労働者、特に木材のように自然と結び付いた産業の労働者は、このような1年を通した激しい変化にどのように対応しているのでしょうか?

Mika Åbyは、フィンランド西海岸のピエタルサーリにあるアルホルマ製材工場のディレクターです。ここでは木材は主要産業であり、町の19,000名の住民に多くの雇用を生み出しています。アルホルマ製材工場には75名の正規従業員がおり、フォークリフトトラック運転手などのフリーランスの契約業者を含めると、1日の従業員数は約130名となります。

たくさんの雪

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昨年の冬、フィンランド人は大量の降雪を見ました

フィンランドで新しい冬が再び始まろうとしているとき、Åby は昨年、製材所チームが記録的な量の降雪に対処しなければならなかったことを覚えています。「この10~20年で、これほどの大雪は記憶にありません」と彼は言います。「地面には60~70 cmほどの雪が積もりました。丸太やコンベヤーベルト、保管エリアなど、あらゆるところに雪が積もるため、多くの問題が発生しました」

雪の有無に関係なく、冬は概して、チームにとって1年で最も厳しい時期です。「–15 °C以下になると、問題が発生し始めます」とÅbyは述べています。また、今年の冬の気温は-25 °Cあたりまで下がったとも付け加えました。「最も大きな問題は、丸太の凍結です。これは、伐採や製材をさらに困難にします」。ナイフやブレード、その他の工具が壊れやすくなり、チームは追加の保守作業にあたらなくてはなりません。解決策として、アルホルマ製材工場では、厚みのあるブレードを使用し非常にゆっくりとした速度で動かすことで、損傷リスクを軽減しています。

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冬の間、工場の物流には困難がつきものです

 

冬には全従業員が厚手のコートとズボンを身に付けていますが、従業員がほとんど外に出なくてすむように、工場の仕組みを整えています。建物の外にある生産ラインの開始部分は、カメラで監視します。ここでは丸太の等級付けが行われ、その後木材は工場に入れられカッティングや製材が行われます。従業員は、建物内で温かく過ごしながら画面を通してプロセスを監視することができ、たまに外に出る必要があるだけです。

冬の利点

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凍結しているおかげで、森の奥地へ入りやすくなります。

驚くことに、氷点下で木材を扱う仕事をすることには利点もあります。「地面が柔らかすぎて普段は伐採が困難な場所にも、行くことができます」とÅbyは言います。「地面が凍結していると、伐採ははるかに容易になります。伐採機械は、1人で運転します。運転手は、『バギー』の中に座り、寒さから守られます」

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冬は、保管している丸太へのダメージが少ないのです

すべてが凍結するような状況では、木材の保管も容易になります。「天候による丸太へのダメージのリスクがないため、ずっと多くの木材を保管することができます」とÅbyは説明します。「食物を冷凍庫に入れて保存するようなものです」

夏季の間、暑さに加えて湿度の高い状況下では、従業員が気を配らなければダメージが生じる可能性があります。「木材が変色する恐れがありますし、周囲に虫が増えて損傷を受けることもあります」とÅby。保管場所から水分を排出するシステムを導入している、とÅbyは付け加えました。

暖かく、雨の天候では、樹皮がもろくなることがあります。「これにより、機械に実に多くの問題が発生します」とÅbyは言います。「定期的に機械とコンベヤーから樹皮を取り除いて掃除しなければなりません」

暗闇の中での幸せ

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UPM製材工場の従業員は、冬が永遠に続くわけではないことを知っています!

アルホルマの日照時間は大きく変化しますが、チームの勤務時間は変わりません。年間を通して、同じスケジュールです。「それがフィンランドです。みんな慣れていますよ!」とÅbyは笑います。「それを好む人、そうでない人、両方います。クリスマス頃に日照時間が一番短くなると、そろそろ変わり目でだんだんと日が長くなってくるのだなと私たちは感じとります」

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寒くても、暖かい時期はすぐに来ることをフィンランドの人々は知っています。 

1年のどの時期であろうと関係なく、Åbyにとって重要なことは、製材工場の士気が高く、チームの全員が仕事に来ることを楽しみにしているかという事です。天候によりどのような問題が生じる可能性があるか事前に知り、それらに対処する準備を整えることで、皆の日々のストレスを軽減することができます。「1年のどの時期であろうと関係なく、私たちが常に知りたいことは、皆がここで働くことを幸せに感じているかどうかです」と彼は締めくくりました。

 

文:Jessica Bateman

写真:UPM Timber

 

 

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